パニック障害体験談を元に、症状や治療法、パニック障害についての考え方やその原因を紹介
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パニック障害体験談その④ 快方への兆し

パニック障害が発症してから、2年が経過していました。その間の暮らしは障害者手当てで何とかやっていたのですが、手当てを貰い続ける事への罪悪感と、社会復帰したいと気持ちが常にあり、知り合いに相談しました。

知り合いは、自分の弟がやっている塗装会社を紹介してくれました。その会社の社長と僕も少しの面識があったので、僕は、病気の事や今までの経緯など、全ての事を社長に話しました。社長はパニック障害についての知識は全く無かったのですが、快く採用してくれました。

僕は、最初のパニック発作の時に、シンナー系の臭いがスイッチで息苦しくなったので、シンナーを取り扱う塗装の仕事に不安を感じながらも、思い切って仕事にいきました。仕事の初日は、何度も頭が痛くなったり、軽い動悸が起こったりで休み休み仕事をしていました。

周りの従業員は、自分の傷害の事情を知らないので、「おい、新人、何休んでんだ」とか 「もう、疲れたのか、情けない」などと色々な事を言われて、もういつ発作が起こってもおかしくない状況でした。そんな時に社長がきて、「少し、車で休んでいいよ」と声を掛けてくれました。僕はその一言で救われ、車で少し休み、気分が良くなると仕事に復帰しました。

勿論、家に帰ると仕事で人に迷惑をかけたくないとか、しっかりとやっていけるのかなど不安を感じて発作が起きたりもしましたけども、何とか休む事無く仕事にいっていました。

しかし、今度は仕事の現場で発作が起こってしまいました。症状はいつもの手先のクネクネと過呼吸、発汗、そして頭痛です。パニック障害を知らない周りの人はビックリして自分の元に集まってきました。

僕は、発作が治まるのをじっと待ち、楽になってきた頃に周りの一人にカバンの中の薬と水をお願いしました。僕が、その薬の服用で落ち着いた時、従業員から詳しい事情を聞いた社長が現れ、その日は家で休むように言ってくれ、家まで送ってくれました。

僕は、仕事場で発作が起きた事でまた自信をなくし、相当落ち込んでいました。そして、次の日の仕事を簡単に休んでしまいました。

勿論、パニック発作の予期不安はその間もずっとあったので、辛かったというのもありますが、もしかすると、つらい事から逃げるクセがこの2年間でついていたのかもしれません。僕は、その後も会社に連絡する事なく無断欠勤を続けました。

そんな時、社長から携帯に連絡がありました。僕は「クビだな」と思い受話器をとり、社長と話を始めました。しかし、社長からの答えは意外なもので、「一日中働けなくても、働いた時間だけの日当をつけてやる。体調の良い日、しんどい日もあるだろうから、来れる時だけ来ても構わない。だから体調が治ればまた出勤してこい」という内容のものでした。僕はこの社長の言葉が本当に嬉しくて、また仕事を頑張ろうと思えるようになりました。

僕はその後、出勤と休みを繰り返しながらも、出勤できる日数が徐々に増えてきました。労働時間も半日の時もあれば一日中頑張れる日もできてきて、仕事中に発作が起こる事も殆どなくなりました。

周りの従業員も前回のパニック発作がきっかけで僕の障害の事を多少なりとも理解してくれたのか、色々な気遣いをしてくれます。その内、彼らが発作の事を冗談ぽく「今日の発作は何時頃だ」とか言われても、全く気にならないようになってきました。多分、この人達は自分の事を考えてくれている、この人達は信用できると心から思えるようになったのが一番の要因だと思います。

僕はこの時強く感じました。周りに自分の傷害を理解してくれる人がいるだけで、こんなに気持ちが楽になるのか。発作が起きても安心できる環境を作るのがこんなにも大切なものだったのかと。僕は本当にラッキーだったのかもしれません。こんなにも、自分の事を理解している人が周りにいて・・・

僕のパニック障害は、今も完治したわけではなく、二週に一度は病院に通い薬物治療を実施しています。しかし、以前に比べると症状の重さが全く違います。発作の発生も殆どなくなりましたし、予期不安にかられる頻度も圧倒的に減りました。何より、このように自分の体験を冷静に振り返れるのが回復の証だと思います。

今、パニック障害で苦しんでいる方も、必ず治ると信じて治療をするようにして下さい。決して頑張れとは言いません、自分の心が前を向くまでゆっくりと待ってください。その間、周りから「怠け者」とか「早く仕事をしろ」とか色んなプレッシャーをかけられると思います。でも、それに焦って無理をすればパニック障害はひどく進行してしまいます。

担当医を始め、あなたの周りには必ず誰か、あなたの病気を理解してくれる人がいるはずです。周りに何を言われようとも、その人物だけは、あなたの事を理解してくれています。なので、諦めずに、ゆっくりでもいいので自分の心が前を向くのを待ってください。

そして、心がきちっと前を向いた時、迷わずに最初の一歩を踏み出してください。

その先に快方の兆しがまっています。